銀座ソニービル 柿崎順一×鹿島直 アーティスト・トーク


柿崎順一×鹿島直


SONY Art Exhibition 「春」



アーティスト・トーク





本人が会場に居た。
一階ロビーにてなんとアーティストトークが行われていた、全くの偶然に驚いた。
対談していたのは写真家鹿島直、かなりの人だかりができていた
私は柿崎順一本人に会うのは初めてだった。写真では拝見してはいたが、
期待どおりの独特の風貌をしており、この時点ではとても穏やかな優しい人間に見えた。


トークは主に今回の作品と写真、そしての魅力についてであった、
と、途中、会場を二階に変えて柿崎順一の花をいける実演へと移った。

凄い、ここで実際に花をいける姿に立ち会えるなどとは考えもしなかった・・・
そしてそれは想像を遥かに絶していた。
床に座り込んだ柿崎を観客が囲みこむようにして始まった実演は、
見るだけでも大変なほどの人だかりであった、
柿崎は司会者の質問に丁寧に答えながら、四つの作品を一息にいけ上げて見せた。


それはアーティストトークで魅せた「穏やかな人間」とは明らかに違ってた、
対峙する柿崎は尋常ではない・・・
頭から大量の汗を掻き、そのはすでに此の世を見てはいない様に見えた、
いける速度、素早いあしらい、但し花に対する優しさは痛いほどに伝わってきた、
多種類の刃物を用意してはいたが、ほとんどは柿崎の手の内で折られた。
折られては直ぐ水に差され、また、ある花は水を与えられず・・・
幾つかの繊細な作業ではピンセットを使った。
見ている私の方が緊張した。
日常では直面することのない非常な瞬間であった・・・



柿崎順一 2007年 「肉体の内側」 Inner body